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「返済額軽減型で繰り上げ返済」を選んだ理由。期間短縮型だったら間違いなく赤字だった…

繰り上げ返済について話す夫婦
投稿者松本 涼子
所在地兵庫県神戸市北区
自宅の種類戸建(一軒家)
目次

住宅ローンを組んだ当時の状況

【家族構成】
夫(会社員:年収600万円)31歳、妻(専業主婦)31歳、長女1歳
世帯年収600万円(手取り約480万円)
【住宅購入時の契約内容】
2,850万円の一戸建て(建売住宅3LDK、120㎡)
自己資金1000万円(頭金650万円、諸経費150万円、予備費200万円)
変動金利
借入金額2.200万円
金利0.65%、期間35年、元利均等返済
年間返済額70万円(月5.8万円)
年間維持費(税金、管理費、修繕積立金)
固定資産税12.5万円

住宅ローン契約から現在までの返済状況(資金計画)

夫婦ともに31歳、長女1歳。住宅を探すがなかなか良い場所に出会えず

たまたま夫が通勤電車から見える場所に建売住宅を見つける

夫婦で見に行く。妻がひとめぼれ。本来は2,980万円だったが、モデルハウスであること、モデルハウスであるがゆえにその一角で最後の一軒であること、新築ではあるが建てられてからは2年半が経過していることから大幅値引きに成功。2,850万円で購入を決意。広々としており、部屋数もあり、吹き抜けもあり満足。

自己資金が乏しいことに悩んでいたが、妻の実家より900万円の贈与の申し出あり。住宅購入に使うと非課税になるという仕組みがあったのでそれを利用。もともとの自己資金100万円と合わせ、自己資金が1000万円に。

契約後、順調に支払っていたが、夫が32歳の時に職場環境の悪化により転職を決意。不安だったが結果的には収入アップ、年収800万円に。住宅ローンを組む際に予備費として置いておいた200万円を繰り上げ返済にあてる。また、繰り上げ返済に手数料のかからないネットバックで借り入れていたため、毎月4万円程度+夏冬のボーナス時に15万円追加で繰り上げ返済を続ける。万一、返済が厳しくなった時のために「返済額軽減型」を選択。いずれ教育費もかかってくるだろうから、月々の返済は少ない方がいいだろう、という考え。

夫が34歳の時、激務によりうつ傾向になる。年収は大幅ダウンになるが、福利厚生が充実している会社に転職。年収450万円に。妻もパートで年収100万円、世帯年収550万円に。毎月続けていた繰り上げ返済は1万円に固定。子どもを保育所に入れることになり、保育園代が家計を地味に圧迫する。まだ貯金はできる状態。

夫婦ともに36歳、長女6歳の時に長男が誕生。妻はパートを退職。家計の収支は赤字ではないが黒字でもない状態に。繰り上げ返済もできなくなる。

長男が8か月の時、運よく妻の新しいパート先が見つかる。年収は見込みで130万円。長女も小学生になり、保育園代がかからなくなった。長男は二人目なため長女の時に比べていろいろな助成が使えたため、家計が助かる。貯金もできる状態に。ここに来て、収入があった頃に早めの繰り上げ返済をしていた効果を実感する(返済額は当初の5.8万円から4.7万円にダウンしていた)。繰り上げ返済のしすぎは手元資金が無くなることで、急な収入源に対応できないことを実感。繰り上げ返済の再開はしないことにした。

現在、夫婦38歳、長女8歳、長男2歳。少しずつだが貯金ができている状態。

繰り上げ返済の効果は期間短縮型ではなく、返済額軽減型を選んで大正解。入念に調べたからこそ現在も細々とだが貯金できている

2,980万円の家を厚かましくも130万円も値切り、2,850万円で購入にこぎつけた時には、この調子ならきっと返済もずっと上手くいくだろう、と思っていました。

なにしろ、当初の自己資金は100万円しか無かったのに、妻側の両親から予想外の900万円の贈与があり、そのおかげで想定していた月々の返済額7.5万円から5.8万円で済むようになったんですから。家を買う前に住んでいたアパートは家賃が8万円だったので、2.2万円も月々の出費が減る計算です。

上手くいかない方がおかしい、と思っていました。しかし、人生には「まさか」がある、という話をよく聞いていたし、親からは「住宅ローンは繰り上げ返済をしてとっとと終わらせてしまった方がいい」という話を口を酸っぱくして聞かされていたので、とにかく早く繰り上げ返済をしてしまいたい、できる限り手元資金を繰り上げ返済に回したい、と考えていました。

繰り上げ返済について、繰り上げ返済をすることは私の中で確定だったのですが、ネットを調べると繰り上げ返済は2種類あって、期間短縮型と返済額軽減型があることがわかりました。そして、期間短縮型の方が利息軽減効果が高いので、期間短縮型を選ぶ人の方が圧倒的に多数派だということもなんとなくつかみました。住宅ローン返済をしている人が集まる掲示板、twitterなどのコミュニティをのぞいてみるとそういう人が多かったと記憶しています。

そんな時に、とあるFPさんのブログと出会いました。そのブログはお金のいろいろなことに言及しているもので、その中に住宅ローンについての話もありました。その人は、繰り上げ返済は子どもが小さいなら期間短縮型より返済額軽減型をおすすめする、と書いていました。子どもの教育費というのは予想外にかかるもので、例えば高校の授業料だけを考えるのでなく、入試のためのお金だとか、塾の費用だとか、その年齢になってみないとリアルに感じられないお金がある、みたいなことを書いていました。その教育費のピーク時に耐えるために、住宅ローンの返済額は少しでも少なくしておいた方がいい、といった内容でした。

また、現在は住宅ローン金利が低いので、同額を繰り上げ返済した時の期間短縮型と返済額軽減型を比較しても軽減できる利息にそこまで大きな差はないこと、どうしても気になるなら毎月こまめに繰り上げ返済すればいいという話を書いていました。

例えば月3万円をこつこつ3年間返済額軽減型で繰り上げ返済するのと、3年間お金を貯めて、3年経過後に108万円期間短縮型で繰り上げ返済するのとは軽減される利息は変わらない、みたいなことだったと思います。

これまたネットにあった、住宅ローンの高度シミュレーターで、本当に毎月こつこつ繰り上げ返済すれば返済額軽減型でも利息軽減効果が大きいのか自分で調べたところ、本当っぽいなと感じたので「可能な限り繰り上げ返済をする。返済額軽減型を選択する」ということが自分の中で決定しました。夫にも細かく伝え、分かってもらいました。

そんな感じで最初は順調に滑り出した住宅ローン返済。途中、夫の転職による年収アップで繰り上げ返済はさらに進みました。これはいい感じだな、と思っていたのですが、夫婦ともに34歳、長女4歳の時に夫が激務によりうつ傾向になってしまいました。

オーバーワークによると思われる、仕事量を減らした方が……と医師に言われたようで、ずいぶんと悩んだようですが再度の転職を決意したようでした。いまの職場では仕事量を減らすなんてとうてい不可能だと思ったようですし、実際、毎日日付が変わってから帰ってくるなんて状況だったので、健康を大切にしてほしいという気持ちと家計が心配という気持ちがせめぎあっていましたが、やはり健康だよね……と自分を納得させました。

それでも繰り上げ返済は続けたくて、月に1万円だけ繰り上げしていました。私もパートで働くことにして、長女は保育園に入れなければいけなくなったのですが、当時はまだ保育料無償化が始まっていなかったため、保育料や、保育園の制服代、写真代、イベント代などが負担でした。家計を考えると、まだ繰り上げ返済をしてもわずかながら貯金はできている状況でしたが、少し手元資金の少なさに疑問を持つようになりました。これでいいのかな?大丈夫かな?と。ですが今思えば、周囲から、特に親から「繰り上げ返済は絶対にするんだよ」と言われていたのがある種の呪縛になっていたのか、貯金より少しでも繰り上げ返済にお金を回すことに躍起になっていました。

その後、妊娠し、夫婦ともに36歳、長女6歳の時に長男が誕生しました。夫婦で「もう一人欲しいけど、お金は大丈夫かな」なんて話していた矢先の妊娠でした。戸惑いもありましたが、夫の「産めば意外と何とかなる、というか何とかするしかない」という言葉に、その通りだと思い、出産。

パートは退職し、住宅を購入してから一番お金が無い状態となりました。夫婦、6歳、0歳の4人家族で年収450万円です。手取りで言ったら、その8割程度でしょうか。児童手当が入るのがとてもありがたかったです。それでも、家計はやはり厳しいものとなりました。赤字でもないのですが、黒字でもありません。本当にトントンの状態です。

もし、これまでに繰り上げ返済を「返済額軽減型」ではなく「期間短縮型」を選択してきていたなら、間違いなく赤字だったでしょう。

そして、長男が8か月のとき、運よく新しいパート先が見つかったんです。しっかり働けるところで、まだ務め出して1年経過していませんが、見込みでは年収130万円近くなるはずです。もちろん、子どもの急な病気で休むこともあると思うので、もしかしたらもう少し少ないかもしれませんが。それでも、世帯の収入がアップするのはとてもありがたいです。長男の保育料はかかりますが、世帯年収が下がっていたことで保育料も安く抑えられている状態です。

それに、夫の新しい職場は基本給こそ低めなものの福利厚生や各種手当が充実しており、子どもが二人以上ならもらえるお金がぐっと増えるんです。この時、繰り上げ返済を返済額軽減型を選択して頑張ってきたため、当初の月5.8万円から4.7万円までダウンしている状態でした。最初に「返済額軽減型で行く!」と決めていたから固定支出が減っているという状態を作り出せたわけですから、本当にしっかり調べてよかったと思っています。

現在は夫婦ともに37歳、長女7歳、長男1歳になりました。いまは手元資金をもう少し増やしたいので、繰り上げ返済をお休みしています。貯金も増えてきて、やはり最初にしっかり調べたからこそ危機を乗り越えてこれたのだと思うと、少し自信につながるな、と思うところがあります。これからもまだまだ「もしも」が起こる可能性はありますが、それもきっと乗り越えられる、そんな気がするんです。

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